鉱物名はルビーと同じコランダムに属しており、赤色以外のものを全てサファイアと呼び、一般的には青色のものを指します。サファイアの語源は「サフィルス」というラテン語で「青色」という意味の言葉からきていると言われています。青色以外にも「イエロー」「オレンジ」「グリーン」「ピンク」「パープル」「ホワイト」など様々な色があり、ファンシーカラーサファイアと呼ばれることもあります。

また、光を当てた際に美しい6条のスターが現れる「スターサファイア」や、アレキサンドライトのように光源によって変色する「カラーチェンジサファイア」も存在します。

サファイアの評価は、色合いや透明度、輝き、内包物の状態などにより総合的に判断します。最高の色合いといわれるのは、ヒマラヤ北西の標高4000メートルに位置するカシミール産の「コーンフラワーブルー」「ベルベティブルー」と呼ばれるものです。カシミール産のコーンフラワーブルーは、彩度が高く、上品で落ち着いた色合いの「矢車草」から名付けられました。

次いで、ミャンマー産の「ロイヤルブルー」と呼ばれるやや紫がかった青色（ディープパープリッシュブルー）も評価が高いです。

ただ、どちらも現状市場で多く流通はせず、マダガスカルで産出されるサファイアの中にコーンフラワーに似た色合いのものや、スリランカ産の良質なものも人気です。

また、数多くあるカラーサファイアの中ではオレンジとピンクの中間の微妙な色合いで、産地であるスリランカでの「蓮の花」を意味する「パパラチャサファイア」が一番高く評価されます。その他、ゴールデンサファイアも人気があります。